堅気屋倶楽部
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アントニオという男 [ 尭樹佐保 ] 03/06/27 22:49
初めまして、15年以上前(小学生だ・・(笑))に一度ハマり、最近再び猫近辺(笑)からハマり直している尭樹佐保(たかぎさほ)と申します。
どらん猫方面からハマり直して、最近とてもアントニオが気になる私です。
生前のアントニオは、どんな性格で百合根のおっちゃんに会うまでどんな人生を送った猫なのだろうな・・・と。
生前の評価が好悪真っ二つに別れる点では、小鉄以上に謎めいた存在に感じます。
ジュニアは(口寄せで呼んだ)彼の自己中心ぶりを『知れば知るほど絶望感が増す』と酷評し、イカサマ博打をやってはケンカで解決し、マネージメントと称して与太吉と山分けする筈のカツオ節を持ち逃げし、おむすび親分を心身ともに完膚なきまでに叩き潰し、猫妻を寝取り・・・etcと悪事には枚挙の暇のない彼ですが、その半面、(結構生真面目な性格っぽい)釜虎と竹馬の友の契りを結び、(若い頃の小鉄ならば絶対に突っ撥ねていそうなタイプの)泥吉には絶大な信頼を寄せられ、『寝取られ』被害者である女の代表である筈の奥多摩の婆さんには『本当にいい男だった』と今だに伝えられるアントニオ。
私から見て、彼の美点を伝えているキャラは泥吉と婆さんでは・・と思えます。
釜虎だってアントニオがただのこすっからい腕っ節自慢の悪党『だけ』でないからこそ友と認めたのだろうし、その死を聞いて遠方から敵討ちに来た訳ですし。

アントニオという猫を自分なりに考えると・・・・

1、周辺の評価は概ね低い
2、一部の猫の評価、信頼度は絶大に高い
3、女性に手が早い代わりに乱暴もしなかったらしい(周囲の男連中にも一目置かれる程の婆さんが、欲だけの男をあそこまで評価する筈がない)

・・・3の『女性に手が早い』の部分だけを削除すると、不思議な事にテツそっくりになるんです(笑)。
テツもヨシ江さん、アケミさん、朝子さん、ヒラメちゃん、タカさん、サッちゃん、レディー幕ご飯、飛田弟(笑)などゲスト、レギュラー含めた女性陣の評価は決して低くないんですよね。
泥吉とアントニオの関係などはヨーデルとテツの関係にも似てますし。泥吉がアントニオによく言われていたという台詞は、そのままテツもヨーデルや勘九郎さんとかにいいそうですしね。
泥吉がアントニオを訪ねてきたのも『アントニオなら必ず助けてくれる』と信じての事と考えると、アントニオは無茶苦茶ではあったし容赦もなかったしかなり無責任な性格でもあったけど、常に一人でいて『人懐っこいタチ』ではあったけど最終的には誰も寄せ付けなかった小鉄にはない人徳のようなものも感じます。
その点『徒党を組むのは好きやないけど、慕うて来るもんに冷たあに出来ん人の良さ』があったジュニアと通じるものがあるのではないかな、と。

そうなるとジュニアのお母さんもどんな女性か、気になって来ます。
存在すら知らなかったとなると『出来ちゃった』可能性大ですが・・そうなると東京はジュニアの兄弟だらけになっちゃうし(笑)、子供はジュニア一匹、しかも自分の名を付ける(無敵なアントニオの噂が聞こえて自分が瓜二つだからといって、自分からそれを名乗る程ジュニアも図々しくないだろうし・・)程だから、ジュニア母はアントニオが惚れ込んだ女性であって欲しいと思います。
アントニオがジュニアの存在を知らず、ジュニアが母が自分を捨てたと思っている理由としては

1、付き合い始めた頃からいきなり子供の名前の話を出していた。(この女となら子供を作ってもいいとアントニオが思っていた)

2、ジュニア母の懐妊並びに出産。

3、ジュニア母が出産して息子に名前を付けたものの、その後すぐに我が子を手放す事態が起きた。(親子の命に関わる緊急の事態があった、病を得て育てられなくなった、アントニオに愛想を尽かした(笑))

4、手放す時、ジュニアは既に物心ついた頃(目が開いてすぐくらいか)だったので『母親に捨てられた』という強烈な記憶として残った。

5、そして2、3,4の時、長期に渡ってアントニオは不在にしていた為(釜虎と遠征でも行っていたとか)息子の存在を知らなかった。
或いは人つてにこの経緯を聞いて、自分の想像だけで見る事の出来なかった(そしてその為に印象の薄い)我が子を『もはやこの世にいないもの』として記憶の底に押しやった。(妻の存在は強烈にあったとしても)

アントニオにこんな妄想抱いていますが、夢見すぎでしょうか?(笑)

Re:アントニオという男 [ マサル2号 ] 03/06/29 12:19
初めまして。
非常に力の入った文章、ありがたく読ませて頂きました。
ここまで来ると、もはや「小論文」としても通用するのでは…?

アントニオとテツの共通部分については、私も「なるほど」と思いました。

ただ、アントニオの女性関係(?)は、僕自身としては「来る者は拒まず、去る者は追わず」のスタンスを貫いていたのでは…と思います。(おむすび親分の話が「かなり脚色されていた」という前提が必須条件ですが…本当に「人妻を無理やり寝取る」ような男であれば話は別)
奥多摩の婆さんは、おそらく「一期一会の恋」をしたという点で、アントニオが「本当にいい男だった」と言ったのでしょう。
彼女自身、アントニオのことを「女のハートを掠め取る風のような男」と評しています。

そんなアントニオに「子供ができる」という事態が生じた原因としては、次の2つが考えられます。

1.ジュニアの母親がよほど「いい女」だった
2.ジュニアの母親がアントニオを自分の所に繋ぎとめるため、アントニオに無断で「子供ができる」ように仕組んだ

佐保さんは「アントニオがジュニア母に惚れ込んだ」という意見でしたので、理由として1の方を選ばれたと思います。

ですが、そうなると「ジュニアの母親がジュニアを捨てた理由」がいまいち分かりづらくなるのでは…?と僕は感じました。
普通、母親はよほどのことがない限り、我が子を捨てるようなことはしませんし…。(もし母親が飼い猫で、ジュニアは泣く泣く飼い主によって捨てられたのであれば話は別ですが)

また、ジュニアがアントニオと「瓜二つ」なのが捨てられた原因だったとすれば、ジュニア誕生の理由としては2の方がしっくり来るのでは…?と思います。

以下、僕の妄想。
アントニオに本気で惚れこんだジュニア母は、アントニオに無断で「子供をつくる」ことで何とかアントニオを繋ぎとめようとするが、それを知ったアントニオは「アホか!」と一喝。
彼の生き方としては「子供」や「家庭」などは邪魔な存在以外の何者でもなかったので、そんなモノをちらつかせて一緒にいようとするジュニア母に愛想をつかし「ガキなんか、お前一人で育てえ」と去ってしまう。
残されたジュニア母は失意のうちにジュニアを出産するが、これまた皮肉なことに彼はアントニオそっくり。
この時までにジュニア母は、アントニオに対し「死ぬほど愛したが為の憎しみ」を抱いていたと推測される。
そんな時に生まれた息子は、よりによってあの「憎っくき男」に瓜二つ。
彼女が、次第にジュニアを育てる気になれなくなったのも無理はない。
どの辺でジュニアが「捨てられた」のかは定かではないが、恐らく彼が誰の目にも「アントニオに瓜二つ」なのが明らかになった時点で捨てられたのではないかと思われる。
その後、「育ての母親」なる者が存在したのか、それとも小鉄のように一人で大きくなったのかは不明。
いずれにせよ、彼の記憶に残ったのは「母親に捨てられた」という事実。
また、アントニオの噂を知る者からは「瓜二つ」と呼ばれることで、まだ見ぬ父親の姿に想いをはせるようになる。
なお、息子のことを気遣ったのかどうかは不明だが、アントニオ自身は関西地方では女性問題は起こしていない。
単に、この直後に彼が百合根との運命的な出会いを果たしたからかもしれないが…。

…ごめんなさい。
僕の方は、かなり生々しい妄想になってしまいました(笑)
僕の場合、夢じゃなくて「現実」を見過ぎたのかもしれません。

Re[2]:アントニオという男 [ まつうえ ] 03/07/07 12:36
佐保さんやマサル2号さんの長文を読んで素朴な疑問が沸きました。「じゃりん子チエに出てくる猫は人間よりも人間らしい、と井上ひさしさんもおっしゃってたやろ」と言われるのを承知で質問させていただきます。

猫って避妊するんですか。

うっ…!! [ マサル2号 ] 03/07/07 14:29
そ…それを言われると、どお答えてよいのやら…。
ま、まぁ、釣りとか野球とかバクチとかもするんですから、避妊方法くらいは知ってるでしょう。多分。

…いい加減な答えですいません。

Re[3]:アントニオという男 [ 尭樹佐保 ] 03/08/07 10:18
マサル二号さん
拙い文章に丁寧なレスありがとうございました(^^)
仕事が詰まってしまって、大変遅い返信となり本当に、申し訳ありません(^^;)。
マサル2号さん、そういうアントニオもかっこよくてありかな~とか思いました。『来る者拒まず、去る者追わず』はいかにも彼らしいですし。前半の伝え語りのアントニオは『英雄』でしたけど、後半、かなりのちゃらんぽらんぶりを暴露されていましたしね(笑)。
取り合えず自説『1、ジュニア母はアントニオが惚れるほどの女だった』として以下『犬嫌い』に絡んだ妄想です。
私はアントニオの『犬嫌い』には、『嫌い』なんて可愛い言葉で片付けられない、徹底的な『嫌悪』に近いものを感じるので(犬猫好きで両者が仲良くしてるのも見てる私としては(笑))過去に何かあったんではないかと勘ぐってます。
アントニオを殺したという『いつもいじめていた近所の犬』、例えば小鉄ならばそんな『いつも』と付くほど執拗にいじめたりしないと思うのです。
その犬が『弱いながらも毎回ケンカ売ってきた(そして負けていた)』犬ならば、百合根さんもそう言うでしょうが、『いつもいじめていた』というニュアンスに妙に引っかかる。
小鉄ならば、例え犬でも敵対の意志を見せなければ結構、上手く付き合いそうな余裕があるけどジュニアやアントニオにはそれが全く感じられない。
勿論、あの親子の激烈な性格もあるでしょうけど、私は犬絡みの事件で妻(母親)を失ったのでは・・・とこんな物語を考えてます。
ジュニア母と出会った頃のアントニオは釜虎(ついでに泥吉)と組んで、野良犬の群れを討伐するほどの猫。で、奥さんの懐妊を知っても『オレのカミさんやったらガキ抱えてても、一人で十人でもどつき倒すわい(心の声:このオレが顔見るたんびにどつかれとるんやしな・・)』と暢気に放浪してはたまに顔を見る程度の生活を繰り返していた。
この当時のアントニオはまだ野良犬相手でも『適当に痛め付ける』程度しかしていなかったし、リベンジしてくるのを面白がっている節もあった。
そして、かなり遠出の放浪の途中で風の噂に奥さんが出産した(性別はまだ聞いていない)と聞いて『ガキの顔でも見に帰ったろか・・またあいつに『カイショなし』ゆうて、どつかれるかな』とか何とか言いながら(野良犬、与太猫をからかいつつ)のんびりと帰途につく。
(のんびり行ったのは、赤ん坊の世話を手伝わされるのが嫌だったのかも(笑))
その帰途も終わりに近付いた頃に、以前ケンカを売った野良犬の残党に奥さんと子供が襲われて行方不明になった、という話を耳にしたアントニオは襲撃をかけた野良犬達を完全に殲滅し、この経験以来『徹底殲滅』をモットーとした戦いをし犬を嫌悪するようになった(『あいつら徒党組むか人間に飼われな何も出来んクズじゃ、そんな連中見るだけでムカムカするわ』てな風に)。
そして妻と子供に関しては死んだものとし(奥さんの亡骸は見つけている事にしてもいい)、同時に『女やろうと男やろうと、オレとあいつのガキが一人にされたくらいで野垂れ死ぬかい。そんな程度やったらそれこそ、オレらのガキて名乗る資格なんかないわ』として心の奥底に仕舞う事にした、と。
一方、母子で修羅場に放り込まれたジュニア(小さい頃でも父親譲りのセンスで子供の間のケンカは一番強かったと思われる)は、犬達の声の中で母親に『あんたなんかおったら足手まといや』と一人取り残され生き残ったものの、幼心に犬の声の中で母親に見捨てられたというショックが刻み込まれてしまった。
勿論、成長してからは、子供の自分を一人で逃がす為の嘘だったと理解するようにはなったものの『オレあん時かて一緒に戦えたんや、足手まといなんかなるつもりなかったんや・・母さんオレの事、信じてくれんかったんか。オレの事、父さんに似た強い子やていつも言うてたやないか』とより複雑な心境になってしまい、その感情を『母親が捨てた(自分を信じてくれてなかった)』という言葉で自分に説明するようになってしまい、そして一方で全ての原因である『犬』を嫌悪するようになった・・・と。
ジュニアのトラウマとして『母親』と『犬』が刻まれたのは、最初の頃のプチ坊くらいの歳ではないのかな・・・と思います。

ここまでで小説書こうかな~とも思っているのですが(汗)、まだ文章として掴めていないので・・。
でも、私の想像はこんな感じです(笑)

Re[4]:アントニオという男 [ マサル2号 ] 03/08/07 11:34
こいつは凄い…
アントニオの犬嫌いは本能かと思っていましたが、確かにそういう考え方もアリですね。

>ここまでで小説書こうかな~とも思っているのですが…

いや、ここは是非書きましょう(笑)
私も下手くそながらマサル中心の小説書いてるんで、できれば仲間が増えた方が嬉しいんですよね。
私自身、少々ネタ詰まり気味ですけど…(まだ未完成)

Re[3]:アントニオという男 [ 尭樹佐保 ] 03/08/07 10:39
初めまして、まつうえ様

避妊についてですが、野良猫達は避妊するほど出生率(及び生存率)が高くなかったのではないかと、私は思います。
その根拠としては
1、作中登場する、親子連れの猫の子は大概一匹か二匹だけ。
これは野良猫の栄養状態の悪さに起因するものと思われる。
(例・作太郎父子、西鉄父子、アントニオ父子、モヒカン父子etc)
2、1と同じ理由で誕生しても死んでしまう子が多い
(例・プラマイゼロばあさん&三吉母子)
これに加えて、逆に両親を失ってしまう子や片親のみになり見捨てられる子(三公、プチ坊、ジュニアetc)、そして飼い猫の親を持ちながら人間によって捨てられる子(小鉄)などもおり、子供の死亡率は作中に語られるよりもずっと高いと思われます。
プチ坊の作った保育園が歓迎されたのは『母親が働きに出られる=子供を一人置いておいても安心な環境の中で、自分一人で子育てが出来るだけのしっかりとした栄養状態を確保出来る(育てられない子供を見捨てる危険性が減る)=子供の死亡率がぐっと下がる』からではないでしょうか。
また、プチ坊や三公の例の様に親のない子を自分のコミュニティーの中で育てるという意識も猫達の中にはあり(本来、子育て関与しない未婚のオス猫も参加する)、子供は猫達の間で大切にされている事を感じさせる描写もあります。
そういう空気の中では(いかにこの世界の猫達が『人間的』であれ)猫達は男女共に『避妊』という意識はあまり育たないのでは───と思います。
以上、私の想像ですが如何でしょうか?

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