93年に出た『じゃりン子チエの秘密』は当初2万部の予定でしたが実際は2万5千部も刷られました。ちなみに93年9月の出版業界の業界紙の資料によると謎本の発行部数について、ブームを作った『磯野家の謎』(飛鳥新社)が続編も含めて256万部、『サザエさんの秘密』(データハウス)が続編も含めて71万部、『ドラえもんの秘密』(データハウス)の56万部が、ずば抜けて多く発行され、その他の謎本は多くても10万部台にとどまっていたようです。しかも10万部を超えた謎本は当時刊行された41点のうち10点しかなかったようです(93年9月現在)。数十万部処分したとなると、予想に反して売れなかった謎本があったということかもしれませんね。
処分といえば、実は『じゃりン子チエの秘密』が書店に出回りはじめた頃、乱丁本が見つかり全国の書店に並んだ本のうち、おそらく1万部以上が回収されています(回収前に売られた本は、そのまま読者の手に渡っているようです)。乱丁が見つかった直後から、新たに刷り直していますので実際は発行部数以上の『じゃりン子チエの秘密』が出回っていたと思われます。
ところで今回の「新装版」についてですが、データハウスの担当者様の話によりますと、当時、好評だったコミック研究本を新装、復刻しているとのことです。新装版では「コミック研究本」ではなく「日本コミック研究全集」というジャンルになっていました。
『じゃりン子チエの秘密』に関して言えば、現在は原作も完結しているだけに、93年のまま再版したのは、やはり残念ですね。新装版の売れ行きが好評で、続編が出せればいいのですが。