堅気屋倶楽部
  • このページは「関西じゃりン子チエ研究会」の掲示板「堅気屋倶楽部」の過去ログです。
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はじめまして  [ 猫の中ではフトシが好き ] 06/04/05 17:04
 はじめまして! 何の気なしにはるき先生で検索してここを見つけ、あまりの面白さに仕事の休みを全部つかって論文は全部見させていただきました。
 ところで、「~巻までが面白い」といった類の書き込みを拝見しましたが、私はあまり人気のない(様に見える)30~40巻台あたりも大好きです。確かに全巻通してみると中だるみの感もありますが、主要人物のポジションが確立されているがゆえにかえってゲストキャラクターや(各巻読みきり風になっている)ストーリーが「立って」いるように感じますがどうでしょう。
 あえて無茶な言い方をしますと、「ドラえもん映画」(のびたの恐竜、とかのアレですね)のような楽しみあるように思えますが。
ついでに [ 猫の中ではフトシが好き ] 06/04/05 17:44
全巻通して読むと「カルメラ兄弟」の社会的ステータス(?)の向上(!?)を軸に次のように分割できるような気がするのですがどうでしょう?

1)カルメラ兄弟の登場
 ヨシ江さんが家出から戻ってくるあたりまで、この時点では単なる脇役扱い(全編を通してではありますが)。

2)青春編・修行編
 カルメラ兄の失恋、弟が四国へ帰ってしまい・兄が商売換えを決意してラーメン修行、弟の帰還からギョーザの修行・カルメラ兄弟再結成、二人で店を立ち上げるまで。20巻台にこうした二人が主役になるエピソードがある。また、兄弟の詳しい情報(名前など)が明らかになる時期でもある。

3)単発事件編
 30~40巻台後半まで
 ここまでの主要登場人物のポジションが明確になりゲストキャラ・事件などが軸になる時期。

4)さっちゃん編
 さっちゃんが登場。ここではカルメラ兄弟の店が話の展開に大きくかかわる。カルメラ兄弟を中心に見ると初めての弟子(さっちゃん父)・暖簾分け(倉敷のカルメラ亭)などがある。

5)カルメラ兄弟結婚編
 兄弟が結婚するまでのエピソードを通じて花井拳骨・百合根との関係が再確認される。初登場の時点では単なるチンピラ(?)でしかなかった彼らが西萩の住人として溶け込んでいることがわかる。ミツルとの和解も(?)

6)大団円
 皆様ご存知のとおり、最後のエピソードはカルメラ兄弟にそれぞれ子供が生まれた時点で大団円です。

 長くなりましたが、いかがでしょうか。
 誰かこうした視点から全巻の物語構造を分析した論文を書きませんか? あるいは私が書いてもよいでしょうか?

Re:はじめまして  [ 川崎市在住者 ] 06/04/06 23:22
はじめまして。川崎市在住者と申します。うれしいですね、私も30~40巻代かなり好きなんですよ、もっとも当時(1986~91年頃)は毒をくらわば皿までもと言う面もあったんですが、今では純粋にコメディーとしてこれだけ面白い漫画はザラにない、また、今読んでみたら当時より面白く読める所もあって、ひょっとしたらはるき先生のこうしたコメディーのセンスは15年か20年先を行っていたのではないかと考えているのですが、どうでしょうか。それと論文ですが、そういう観点から書かれたもの、私も読んでみたいと思っています。
Re[2]:はじめまして  [ 猫フトシ(名前改めました) ] 06/04/07 18:54
 そうなんですよ、川崎在住者さん!
 純粋にコメディとしてみるとこのころが一番脂の乗っていた時期なんじゃないでしょうか。今ひとつ評価が低いのが残念です。
 個人的には二次創作ものとして、「原作にないストーリィ」が一番作り易い(原作の設定・雰囲気を損ねることがないという意味で)部分だと思いますので。というか、「チエ」ネタの妄想話を(テツが唐突に働き出す>喜ぶ菊・ヨシ江を尻目に動機を疑うチエ>その頃小鉄を訪ねて来る猫が現れて・・・といった感じで)作ろうとしたことがあります。
 この時期、話のパターンが少ない割りにいろんなギミックを使うことによってヴァリエーションが広がっているのも特徴ですよね。このあたりも分析・研究の対象になると思いますが「チエ」研究家の皆さん、いかがでしょうか。
カルメラ兄弟について [ 堺のテツ ] 06/04/08 21:45
はじめまして。
カルメラ兄弟はレギュラー陣の中で最も生活が激変したキャラですね。注目すべきは二人の結婚相手決定に色んな人(猫)がからんでいること。
・お丸:事の発端は彼女がボンボン百合根のために持ってきた見合い写真
・ジュニア:ベッタンで相手を決めた
・百合根:言わずと知れた正真正銘の「仲人」
・ヨシ江:この人でなければ兄弟は見合い話を受けなかったでしょう
物語中で結婚したキャラは他にミツル、渉センセがいますが、この二人については話題に出た時はすでに結婚が決まっていた状態。出会いからみんなが関係したのはカルメラ兄弟だけで、それだけドラマチックな印象があります。

時間が曲がった(?)チエちゃんのまわりの空間で、貴重な「時を進める」役回りだったのではないでしょうか。

余談ですが、先日妹が久しぶりにカルメラを買ってきてくれました。しかしうちの子供たちは見向きもしません。
今の子供たちには受けない味なんですかねえ。ま、確かにもっとおいしいお菓子がいくらでもありますもんね。

Re[3]:はじめまして  [ 川崎市在住者 ] 06/04/09 10:11
 どうも、猫フトシさん。
 30~40巻代、それと20巻代を含めた「チエ」全体の3分の1を占めるいわゆる中期作品は、初期が「昭和の人情喜劇漫画珠玉の名作」であったが故に、相対的に評価が低くなってしまているようですね。でも、中期作品を含めて全部好きと言う人は少なからずいるはずです。でなければあれほど長く連載が続いた訳ないはずですから。
 それと私、長期連載ということで物語を作る方法論として、初期のころはそれこそ泉の如く湧くアイデアにおもむくまま描いていった印象を受けるのですが、おそらくそうもいかなくなった30巻代あたりは、ひとつのアイデアをきっちり計算し(もしくは結末から逆算し)、単行本一冊分の骨組みを作り、猫フトシさんの言う様に色々なギミックを使い肉付けをして行く、と言った描き方を確立していった時期だったのではないだろうかと、そうした方法論の確立がさらなる長期連載を可能にしたのではないかと考えておりますが、どうでしょうか?
 それと、初期の素晴らしさは多くの人が書いて来ました。来年で連載終了から10年を迎えます。そろそろ「稀代のエキセントリックコメデイー」としての中期の再評価があってもいいんじゃないかと思います。私自身、そうした文章が書けないかと下書きをしたことがあるのですが、文章能力が伴わなかったのと、他の人が見たらどうでもいい「私的な中期以降の購読史」になってしまい「こりゃ駄目だ」と断念したことがあるので、どなたか文章能力のある方に書いていただきたく、またどなたかが書かれるのであれば、この掲示板を通じて応援していきたいと思います。では、長々とすみません。
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