堅気屋倶楽部
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連載再開に不安、会則が不安 [ 馬牛 ] 07/11/12 14:57
 このサイトを訪れる方には、「じゃりン子チエ」の連載再開を望む方が多いのでしょうが、連載終了から十年、作者も読者も世の中も多大の変容を被ってしまっているであろう以上、「再び」の「チエ」が、誰の期待にも応えられずに終始してしまう可能性は十分にあるように思われます。皆さんはどのような形での「チエ」再開をご希望でしょう。とりあえず三例挙げてみます。
 イ、2007年、小学五年生のチエ
 ロ、2007年、40歳目前のチエ
 ハ、1978年、小学五年生のチエ
 ハの場合、時代考証という面倒な作業が必要になります。普通の庶民が実際にどんな風に暮らしているかについて、特別な関心をその当時に抱く人はほとんど存在しないため、時に極めて困難であったりします。1978年にマサルがチエやヒラメに、DSやらPSPを見せびらかしたりしてはおかしいわけです。「チエ」の連載を終えた後、はるき悦巳氏が主に「猫」の話を中心に描いているのも、猫が人間同様に考えたり行動したりするという、元来が荒唐無稽な話であればこの問題を回避できるのが一因ではないかと考えています。

 私は三十年ほど以前、当時連載されていた宇宙空間を星から星へと旅して回るという漫画の愛読者でした(以下ではこの作品を仮に「宇宙旅行」と称すことにします)。今でも実家には当時の出版社が企画した、その頃の私の小遣い数ヶ月分に値した「豪華愛蔵版」があります。その人気に残念ながら「関西では」の制約の見受けられる「チエ」ですが、「宇宙旅行」の一時期の人気は日本全国に及びました。「宇宙旅行」は十年ほど前に、最初に連載された雑誌を発行していたのとは別の出版社の漫画雑誌で、続編とも番外編ともつかない形で連載が再開されました。期待して読んでみたものの何らの感興も覚えず、更に実家に帰った折、本編を読み返して得た感想は、
 「こんな説教臭い漫画、どうして面白いと思って読んでいたのだろう」

 じゃりン子チエについても、上述の如く評価が一変しないまでも連載期間中その人気が一様だったわけではなく、作品全体が面白いという人ばかりではないようです(むしろ珍しい)。連載開始より数年程度の期間の話におそらくは人気が集中しているようですが、これは十分に納得できます。挑発的なことを言うようですが、「日本人は不幸な少女の話が大好き」ですから。NHKのドラマ「おしん」「すずらん」の人気のありようも、このことを裏付けるように思います。連載開始当初、文字通り「日本一不幸な少女」だった主人公は、話が進むに連れ、「自称日本一不幸な少女」に変わっていきます(親友としてのヒラメを導入したことが決定的だったと見ています)。以下は臆測ですが、次第に初期の悲惨な境遇を脱していく主人公への不満「チエは不幸な少女のままであって欲しい」は、早い段階から製作者側に寄せられており、それに対する作者の皮肉と抗議を含む回答「読者の皆さんの中には、こういった話を期待しておいでの方がいらっしゃる」が、単行本第6巻冒頭の「シャラズル」ではないかと思うことがあります。

 上述の経験から、これから数十年後、自分は果たして「チエ」の愛読者でいられるだろうか、と疑問に思うこともあります。「じゃりン子チエ」のファンでいられることが、当サイトに投稿するための条件なのですから、そのことを疑問に思うようでは堅気屋倶楽部に出入りするのを遠慮するべきなのかも知れません。
 最近、なかなか見つけられないでいた第38巻を入手、八の字眉毛で普段通り「イキりまくる」テツに爆笑し、どうかすると物語の絵解きに堕してしまう漫画が圧倒的に多い中で、絵と詞と筋三者一体の面白さを有する作品を見限ることができるかはもっと疑問ですが。

Re:連載再開に不安、会則が不安 [ げじげじ ] 07/11/22 20:08
小生は「じゃりン子チエ」でなくてもよいので、はるき悦巳の新作が読みたいです。
Re:連載再開に不安、会則が不安 [ 川崎市在住者 ] 07/12/08 14:12
自分は珍しいタイプのファンに属すると思う川崎市在住者です。馬牛さんへ、やっと手に入れたという38巻はオモシロかったでしょう。私、この巻は、話の面白さとこの時期の「チエ」特有の「ややこしさ」において、思いっきりコメディーに徹した「チエ」30巻代の中でも「最強の巻」なんじゃないかと思います。
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