「どらン猫小鉄」を映画化したらウケるんじゃないかと思う再ブームの予感ただよう今日このごろ。いかがお過ごしでやんしょ。突然ですが81年の映画の話です。劇場版の「舞台裏コレクション」CD-ROMの中で高畑監督も言ってましたが、あの映画はあれでよかったんですかねえ。話が完結していない上にエピソードを飛ばし飛ばし、無理矢理2時間に収めているので、どのエピソードも中途半端になってしまっているような気がしてならない。
じつはあの映画は80年の製作発表の時点から、実際に上映されたものとは大きくシナリオが変えられているのです。おそらくそれは時間的な制約から変更されたことのようですが、製作発表当時では、「ウチのお父はん」の話でエンディングを迎える予定だったのです。
時間的制約から削ったと思われる個所は映画の中にも垣間見ることができます。話の序盤でチエとヨシエさんがボートに乗っている場面、他のボートに当った直後の場面がどうやら切られているようです。
そこまでして切りつめた割に、まだ中途半端なのはエンディングが、それまであくまで脇役だった小鉄によって行われているからでしょう。それまで親子の話題中心だった物が突然猫達にもってかれてしまっている。
映画にはヒラメちゃんは出てこない。ヒラメちゃんを出すとそれこそ映画に終わりが見えなくなるのが登場させなかった主たる原因のようだが、ヒラメちゃんを出さないのなら、ジュニアも出さないで墓場での対決シーンをそっくり除いてしまって、当初の予定通りに終わった方が良かったのではないかと思う。ヒラメファン、ジュニアファンには申し訳ないが、そのくらいの英断は必要だったのではないかと思う。
密かな再ブームといわれる今日このごろ。冒頭で言った通り、「どらン猫小鉄」か、もしくは「リリエンタール」篇、「正太郎・悪太郎」篇などの、それだけで完結できる猫達の話を映画化したら一気に波に乗れるような気がするのだが…誰か作らない?(笑)
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